皆様, こんにちは “ Esprit ” の Fujii です。
本日は コートを題材にした “ スタイリッシュ・ハードボイルド ” のすすめ 第2弾!!
チェスターフィールドコート編です。
では、早速, コートをご覧ください。
毛足が長く, 上品な光沢を発する アンゴラウールのチェスターフィールドコートです。
軽量でありながらも カシミヤに比べ, 断然タフ!! ハードボイルドにはもってこいです。
コートのポイントですが、オーバーコートとしては 限界までシェイプさせたタイトフィット。
elegance を意識した 膝下までのロング丈。
そして、フロントが大きく開く, 段返りの三つボタンに、シャイプドフレアーな袖口で、コート本来の防寒性を
全く無視しています。( Hard-boiled = やせ我慢 ですので・・・)
アスファルトに響く, Esprit Dress Shoes の 心地良いヒール音、 木枯らしに向かい, ロングコートをなびかせ歩く。
この冬は、そんな “ BOIL UP HARD ”な男を演じてみては如何でしょうか?
ガス灯に照らされた石畳に異国情緒をおぼえながら、私は 足早に歩く。
France の有名ランジェリーブランドのプレス担当として、無事に仕事を終え 明日パリへ帰る彼女と
Dinner に出かけるため, 彼女が滞在する HOTEL へ向かっていた。
その風格あるホテルへ到着したのは、約束の10分前であった。
ロビーを抜け, エレベータの7階ボタンを押す。
客室へつづく廊下には、毛足の長い絨毯が敷きつめられ 人の足音を消し去ってしまう。
私は Roon No,701 の前で立ち止まり、 ノックをした。
少しの間があり、ドアが開かれた。
『あ!えっ!?』
『しっ、失礼! 部屋を間違えました・・・。』
男は 不機嫌そうに私を一瞥すると、荒々しくドアを閉めた。
ハードボイルドな私としたことが、思わず奇声を発してしまった・・・。
『あぁ~ビックリした・・・。』
どうやら、昨夜のパンチで、前歯と一緒に 記憶まで飛んでしまったようだ。
気を取り直し、隣の部屋をノックすると、リトルブラックドレスに身を包んだ彼女が, 笑顔で迎え入れてくれた。
私は、後ろ手に隠していた一輪の薔薇を渡し、東京最後のDinner は何が良いか訪ねた。
すると彼女は、ドレッサーの上に開かれた<ミシュランガイド東京2010>のあるページを私に見せた。
『・・・。(んっ? エッ! こんな高級な寿司屋!!)』
その時、私の頭の中に 2つの問題点が浮かび上がった。
寿司につける醤油は、今の私の<舌>には 刺激が強すぎるであろう・・・そして何より, 最大の問題は、
昨夜の【 あわや、火だるま事件 】で、紙幣はおろか, クレジットカードまで 灰と化してしまっているのだ。
私は、蚊の鳴くような声で 『ソフィ, 確かに良い店だ。だが、お寿司がメリーゴーランドのように廻る, とても
メルヘンチックなお店なんかどうだろう?・・・』と提案したが、あっさり却下されてしまった。
見るからに高級そうな店内は、ほぼ満席状態で活気に満ち溢れていた。
『( どう見積もっても, 今夜の所持金では、一人4貫が限界だな )・・・。』
私の心の叫びを知る由のないソフィーは、流暢な日本語で、既にオーダーを始めている。
『( さて、どうするかぁ・・・)・・・。』 頭の中をクリアにして最善策を思案する傍から、カウンター越しに
色鮮やかな鮨が並べられていく。
好物の海老に手を伸ばし、店内を見渡す私を見て ソフィーが突然笑い出した。
どうやら抜け落ちた前歯の間から 海老の尻尾が突き出ていたようだ・・・。
人差し指で 海老の尻尾を押し込みながら、改めて店内を見渡す私の目が、先ほど入って来たエントランスで
“ ピタッ !! ” っと止まった。
『 !!( これだ!! )。 』
私の脳裏に一つの策が閃いた!! 幸い 今夜は 【 Gisele 】 を履いている。
Esprit の ドレスシューズは、極めて軽量で、履き始めたその日から 足馴染みと返りに優れているため、この策を
決行するにあたり、 申し分がない!!
私は 無邪気に鮨を頬張る彼女の耳元で こう囁いた。
『 ソフィ、よく聞け。今夜はトロでもウニでも好きな物を食うがいい。但し, 全力で走れる程度に加減して食うのだ。
そして、私が合図をしたらドアに向かって脇目も振らずに走るのだ。』
彼女は そのチャーミングな口元に 不敵な笑みを浮かべると、カウンターの下で、ゆっくりとヒールを脱ぎ始めた。
a bientot !
皆様, こんにちは “ Esprit ” の Fujii です。
12月も既に半ばとなり、 コートが活躍する季節になりました。
そこで 本日は, コートを題材に、スタイリッシュなハードボイルドスタイルを提案させて頂きます。
皆様も ご存じのように、ハードボイルドとは [ 固ゆで卵 ] からきた言葉で、文芸用語としては、反道徳的・暴力的な
内容に, 批判を加えず 客観的で簡潔な描写で記述する手法や文体を言い、レイモンドチャンドラーなどの作風を指すもの
です。
また、それらの作品に登場する、感傷や恐怖などに流されない、冷酷非情, 精神的肉体的に強靭, 物事に妥協を
しない, などの人物の性格を表現する言葉でもあります。
前置きが長くなりましたが、今回のコートは ハードボイルドの代名詞的アイテム, トレンチコート編です。
近年, ショート丈のトレンチコートが幅を利かせていますが、elegant な大人のトレンチコートは、ズバリ!ミドル丈!!
モードを意識した 若干, 細身のタイプをチョイスします。 これが スタイリッシュ・ハードボイルドたる由縁です。
そして、ハードボイルドの必須アイテム, レザーグローブです。
柔らかく, 手に吸いつくようなフィット感は、オーダーメイドならではです。(殺し屋?)
極めつけきは、私が四半世紀もの永きに渡り 愛用している PIPE印 のマッチです。
私, スーツの時は マッチと決めています。
PIPE印のマッチには、軸が赤い<赤玉>もありますが、軸が黒い<黒玉>が ハードボイルドです。
(誰が決めた?)
時には 気分を変えて 〚 BIRD’S EYE MATCHES 〛 もお薦めです。
軸の先端にある硫黄が、鳥の目に見えることから その名がついています。
このマッチは、その先端を擦ることで着火します。
下の写真にように、親指の爪で軸先端を引っかけると、片手で着火するので 演出効果は絶大です!!
また、素敵な女性と Bar で過ごす時など、お相手の女性が煙草を取り出した際, このマッチをカウンターテーブル
に擦りつけ, サッ!と火を差しのべるといった スマートな使い方もできます。
ただし、高級ウッド材で作られたカウンターの店では、バーテンダーに怒られることもありますのでご注意ください・・・。
スーツだからこそ 高級ライターではなく, あえてマッチと言う “ 美学 ”(?) をお試しください。
Bar で過ごした France人女性を HOTEL まで送り届けた帰り道、霧にむせぶ波止場で ふと立ち止まる。
少し酔いをさまそうと 潮風に誘われるまま歩いて来たが、かなり 外れまで 来てしまったようだ・・・。
まぁ、これも “ 見知らぬ街 ” を歩く 一つの楽しみと 割り切り, 今来た道を戻りはじめる。
すると、前方から 黒いスーツに身を包んだ大柄な男達がこちらに向かって来た。
『 悪いなぁ、ここをただで通すわけにはいかねェ~んだ 』と言いながら、男達が私の前に立ちはだかる。
ご安心ください。
危機に陥ったときにも それを ものともしない軽口を言えるのが、ハードボイルドの特徴です。
私は ポケットから煙草を取り出し 「 生憎だが、こんな場所じゃ 靴のオーダーは受けられないぜ。」と
言おうと思った瞬間, 大男の拳が 私の顎を打ち砕いた。
ご安心ください。
精神的, 肉体的に強靭なところも、ハードボイルドの特徴です。
あまりの衝撃に 一瞬, 気を失いかけた私は、コートの襟を立て直し 『 蚊にでも刺されたような気分だぜ。』と、
なんとも気の利かない台詞を吐こうとしたが、今の一撃で 舌を噛んでしまったようで 上手く言えなかった・・・。
その訳の分からない台詞を聞いた男達が、不思議そうに顔を見合わせた・・・。
次の瞬間, 私は素早く振りかえり、 一目散に走り出した!
ご安心ください。
Esprit Dress Shoes は、踵に沿った ヒールプロポーションが ホールド性を高めているため, 男達が追いつくことなど
不可能なのです。
男達の罵声が 遥か彼方に聞こえるまで走り抜いた時だった
「 んっ!? 」 猛ダッシュで走る私の鼻孔に 微かな異臭が・・・。
そして、走っている暑さとは明らかに異なる熱さが 身体を包みはじめる。
「 あッ!! 」
コートのポケットに入っていた BIRD’S EYE MACHES が、走っている衝撃で着火してしまった!!
コートのポケットから燃え出した火は、背中まで周り 必死で脱ぎ捨てた時には すでにスーツにまで及んでいた。
スーツを脱ぎ捨てながらも必死で走る私の背後では、 男達の罵声が高笑いに変わっていた・・・。
a bientot !